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学習指導要領の変遷を読み込め!!2 [企画・思考]

学習指導要領の変遷を読み込め!!2
時代とともに、学習指導要領は大きく変化を遂げてきたのだろうか。
ふと、そんな疑問が湧き起こった。
そう、前回書いた。
私が着目したのは、学習が遅れがちな子について、学習指導要領は何を
示して来たかということだった。
例えば昭和43年度版の総則には次のような記述がある。(国立教育政策研究所
「学習指導要領データベース」による)
第1章 総則→第1 教育課程一般→8 以上のほか,次の事項について配慮する
ものとする。
→(6) 学業不振の児童については,特別の配慮のもとに指導を行なうこと。
昭和52年度版では、それが次のように変化している。
8 以上のほか,次の事項に配慮するものとする。
→(3) 学習の遅れがちな児童,心身に障害のある児童などについては,
   児童の実態に即した適切な指導を行うこと。
これを見る限り、昭和の学習指導要領では、学業不振、学習の遅れがちな児童
という言葉をわざわざ使って、配慮や適切な指導が必要だと示している。
では、平成元年度版ではどうか。
同箇所は、次のようになっている。
第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
→2 以上のほか、次の事項に配慮するものとする。
→(4) 各教科等の指導に当たっては、学習内容を確実に身に付けることができる
よう、児童の実態等に応じ、個に応じた指導など指導方法の工夫改善に努めること。

この記述を、皆さんはどう読まれるだろうか。
私は、前半部分はよいと思う。どの子も学習内容を確実に身に付けることを意識せよ
ということだからだ。しかし、後半部分がいただけない指導方法の工夫改善に努めれ
ばよいということで、努力目標となっているのである。
「指導を行うこと」という強い言い方からは随分と後退しているように私は感じる。
平成10年度版ではさらに次のようになる。
(5) 各教科等の指導に当たっては,児童が学習内容を確実に身に付けることができる
よう,学校や児童の実態に応じ,個別指導やグループ別指導,繰り返し指導,教師の
協力的な指導など指導方法や指導体制を工夫改善し,個に応じた指導の充実を図ること。
平成20年度版も同様である。
(6)各教科等の指導に当たっては,児童が学習内容を確実に身に付けることができる
よう,学校や児童の実態に応じ,個別指導やグループ別指導,繰り返し指導,学習内容
の習熟の程度に応じた指導,児童の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や
発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導,教師間の協力的な指導など指導方法や
指導体制を工夫改善し,個に応じた指導の充実を図ること。

では今回の改訂ではどうか。
「第4 児童の発達の支援」→「1 児童の発達を支える指導の充実」→
(4) 児童が,基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め,学習内容を確実に身に付け
ることができるよう,児童や学校の実態に応じ,個別学習やグループ別学習,繰り返し
学習,学習内容の習熟の程度に応じた学習,児童の興味・関心等に応じた課題学習,
補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れることや,教師間の協力による
指導体制を確保することなど,指導方法や指導体制の工夫改善により,個に応じた指導
の充実を図ること。その際,第3の1の(3)に示す情報手段や教材・教具の活用を図る
こと。

もはや、「学業不振」や「学習の遅れがちな児童」という言葉は、「児童や学校の実態
に応じ」や「個に応じた指導」という言葉に置き換わり、見えなくなっているように
私には思える。
かつて現場の教師には「自分のクラスからは落ちこぼれを出さない」という意識があった
ように思う。今では、その子の能力に応じた指導の場を沢山用意したので、そこで
何とかなるでしょうというようにも、読み取れる。

でも、そういう読みは正しくないと私は思う。
これまでの流れをみるならば、むしろ前半の
「児童が,基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め,学習内容を確実に身に付け
ることができるよう」を重視しなければならないのである。
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